呼吸がおおもと

鍼灸師の友人と話をしていたら、また、「息を吸って、吐く」ことのすごさを見た気がした。

不治の病を患っている方が、医者から余命を宣告されることがある。長くて1年と言われたとする。手のほどこしようもありません。薬で押さえるしかありません。

服薬のくらしを送り、1年がたち、2年がたち、3年目に入った。

担当の先生が、
「病巣が小さくなってきたので、治療ができるかもしれません。
ただし、成功の確率は高くありません。患者さんがどうしてもと、おっしゃるならば始めましょう」

と言われた時、あなたならどうしますか?

鍼灸師の友人は、「学んだことからすれば、この方が、まだ生きられていることが驚愕です。理解できません」と、言う。医者も「まだ生きていたんだ、、、」的なニュアンスのことを言ったそうで、本人も驚いたと言う。しかし、いちばん驚いたのは余命宣告をした先生本人だったと思う。

この人は、今、1回1回の「息を吸って、吐く」を大切に、息を吸って吐いてきただけなのかもしれないと思った。